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and expenses

馬主の収支

当オーナーズクラブは、金融商品である一口馬主とは異なり、馬主同士の共有になります。共有馬がレースで勝ちますと賞金が入ってきます。

一方、共有馬の維持に係る一切の経費(預託料、保険料、装蹄費、輸送費等)は、共有持ち分に応じて各共有者様で負担することとなります。ここでは、馬主の収入と支出について説明します。

馬主の収入

馬主の主な収入は大きく2つあります。1つ目は愛馬がレースで勝った際に獲得した賞金、2つ目は愛馬がレースに出走した際の各種手当です。例えば中央競馬(JRA)だと、新馬戦(デビュー戦)で1着になった場合の賞金は720万円です。ここから調教師、厩務員、騎手への進上金が引かれて、約80%が馬主に入ってきます。2024年時点で中央競馬のレースで一番賞金が高いレースは5億円です。(ジャパンカップ、有馬記念)5着までには入れて賞金は入りますし、場合によっては5着以下の着順でも賞金をもらえる場合もあります。

2つ目について、レースに出走することで出走手当をもらうことができます。中央競馬だと約52万です。地方競馬でも預託料の半分以上の出走手当がもらえることがほとんどですので月2走以上すれば、毎月の預託料等を上回ることができます。他にも様々な手当が競馬場ごとにありますので、順調に行けば、毎月の維持費はペイできることが多いです。

馬主の支出

次に競走馬の所有にかかる支出についてです。

まず競走馬の購入代金が必要です。各牧場から直接購入するか、セリで購入するのが一般的で、100万円~高い馬は数億円の支出になります。当歳または、1歳時に購入されることが多いですが、2歳のトレーニングセールで購入することもできます。

競走馬を購入した後は、牧場や厩舎に預けられ、レースに向けてトレーニングを進めます。当歳馬や1歳馬は生産牧場に預けられ成長を待ちつつ、1歳の秋頃になるとさらに調教を進めるために育成牧場に移動します。育成牧場での訓練が終わった後、各競馬場の厩舎に移され、ゲート試験等を経て、デビューに向けて調教が進められます。

この牧場や厩舎に預ける預託料が毎月の主な支出になります。中央競馬では、1頭あたり、月60万円超、地方競馬では、月25万円から45万円くらいになります。このほか、獣医の診察料、薬代、装蹄費、輸送費、保険料等がかかります。これらの支出を各共有持ち分に応じて負担することになります。

馬主の特典としての利点

馬主になると、賞金獲得以外にもさまざまな特典を享受できます。以下にその魅力を紹介します。

馬主席の利用

競馬場には一般の観客席とは異なる「馬主席」があります。馬主になると、馬主席に無料で入場できます。これは一般席とは異なり、ラグジュアリーな雰囲気で愛馬を応援する特別な機会です。また、家族や友人を招待して一緒に競馬を楽しむこともできます。

口取り写真撮影

愛馬が勝利した際に行われる口取り式では、馬主も含めた関係者が記念撮影を行います。この瞬間を写真に収めることで、馬主ならではの感動を永遠に残すことができます。

愛馬に名前をつける

競走馬には、自分が好きな名前を付けることができます。競馬の面白さは、自分で名付けた愛馬の名前がレースで呼ばれる瞬間にあります。

厩舎やトレーニングセンターへの出入り

競走馬が出走するためには、調教師や厩務員などの専門家の協力が必要です。馬主は愛馬の訓練を行っている厩舎やトレーニングセンターに出入りすることができます。

5頭以上所有していると事業化できる

競走馬を5頭以上所有している場合、条件に応じて事業化することができます。これにより、競馬関連の収入を事業所得として計上することが可能になります。これは節税対策として有効です。

① 保有頭数による判定

・その年の登録期間が6カ月以上である競走馬を5頭以上所有している場合
・過去3年間の各年において、登録期間が6カ月以上の競走馬を2頭以上所有し、かつ、その3年間のうち少なくとも1年は競走馬の所有に関連する所得が黒字である場合

② 出走回数による判定

・過去3年間の各年において、競馬賞金等の収入がある年があり、その各年において、競走馬が年間5回以上(2歳馬については年間3回以上)出走している場合

※事業所得として認められためには、日本中央競馬会や各地方競馬組合が発行する証明書の添付が必要となります。

馬主の費用抑制方法

馬主になりますと上記のように様々な経費がかかります。また、馬の購入自体も大きな支出を伴います。現在、主な新馬の購入方法は、①庭先取引で牧場から直接購入する、②セリで購入する等がありますが、それ以外にも下記のような方法もあり、馬の購入代金や毎月の支出を抑えて馬主ライフを楽しむことができ、リスクの分散にもなります。

①現役馬の購入

新馬を購入しますと、デビューできるようになるまでに育成牧場にいれ、トレーニングを積み、その後厩舎に入厩させて、デビュー戦ということになりますが、それまでには多額の支出と1年弱の年月がかかります。そこで、現在では現役馬をオークションで購入できる仕組みがあります。JRAや地方競馬で走っている馬をオークション形式で購入することができ、馬体に問題がなければすぐにレースに使うことができます。オークション以外にも、知り合いの馬主さんから直接購入することもできます。

②共有馬主

JRAも地方競馬も共有馬主制度があります。共有は、JRAの場合10人まで、地方競馬の場合は20人まで認められています。この方法だと、馬の購入代金は持ち分の分に分割され、毎月の経費も所有割合に応じて負担することになりますので、経済的負担を軽減しながら馬主ライフを楽しむことができます。また、複数の馬に資金を分散することで、リスクヘッジになります。馬はどうしても脚元に故障を発症しやすく、デビューまでスムーズにいかないケースも多々あります。その時に、複数の所有馬がいれば、休養中の馬の分まで稼いでくれるケースもあります。